おぺんぺん大学

ざーさんによる本の雑記たちとたまに創作

どざえもんの夜 一人暮らし4ヶ月目の所感

 茶を沸かし、それを水筒なりコップなりに注ぎ飲み過ごすサイクルが続いたが、今朝がた、沸かしてみたら何やら青ざめるような、緑の藻のような粒がいくつかまとまって泡立っているのを見た、おやおやまあこれはなんということだ、麦茶を買ったのが緑茶にでもなったかと感心していたが、いざ水筒に移して勤めにでるにも気が引ける、どこからかまだ持ち合わせていた生存本能などというやつによって、早々に流しに棄ててしまうことを臆することなくできたのは一人暮らし然とした失敗が、失敗で終わらず、危険を回避することへの自己防衛が身についているといえよう、とはいえあの気味の悪さは、下水の繁茂し水面が一帯絨毯のようになっているさまを思い出していまこの文書を記しながら慄然する、とはいえはやくもこの与太者による一人暮らしも四か月は経った、外部研修は終わり、いくつかの友情と教科書的なスキルの存在ーもちろん実践するほどの余裕がいざ仕事を前にするとうまく引き出されない―と喫煙という習慣だけを身に着けた頼りない新入社員はいまだ全貌のつかめない仕事の規模に夜ごと、安アパートの居間で力尽きどざえもんのごとく野垂れては自らのふがいなさなどというものにおびえているのだが、なにもひと月やふた月で仕事がものになってしまうのは超人でない限りそんなことはなく、そうした側面も見越してくれていると信じ、にちにち仕事という喪にしがみつきくらいついている、おかげで前月よりもさらに読書の量は減ったが、なにもすぐに読まないとならないといった必要に迫られることがないので、だらだらとあるいはゆっくりと本を見つめることができるとたいそう呑気に構えている、おかげで図書館に通うのが煩わしくてならないので借りなくなったが、別段自室に図書館を構えているようなものなので困ることはない、食生活に関しては少し早いかもしれぬがそうめんを始めてみたりもしたが、まだ冷凍の冷ごはんがあるのにもう今夜はパスタでいいやよなることが多く、週4,5くらいパスタで夕飯を済ました週もあった、交友関係も歩いていける距離では増えぬが、ネッ友や大学の後輩のコネでつながることがあり、遅らせながら出会いの春をまざまざと感じる、給料がはいればついつい来月までにいくら残しておいて口座の金額をかこさいこうにしたろう、などという真面目なのか不真面目なのか、ただの倹約家か知らんが、そんな気を起こしているくせにおろしてある金を数えて電車を乗り継いでまで喫茶店で煙草を吸うことを週末の楽しみにしていることもあった、今日の退勤後なんかは、会社のパソコンのアップデートによって表示されるようになった天気および気温に影響を受け体感温度が5割増しに気持ち上がったからバニラシェイクを購った、SサイズではなくMサイズである、学生の自分はそれこそ手を出さなかったサイズである、どこか自立においてこうした責任相応に好きなものを取れるのは幸福なことだろう……、このごろは上の住人は男を引き込んでおらず軽快な馬鹿笑いも耳にしない……