おぺんぺん大学

ざーさんによる本の雑記たちとたまに創作

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

受苦と執着と墓碑 (中編小説)

熱気が立ちこむ路地で猫はつぶれていた。 シュウジはさっきまでくつろいでいた事務所のソファに封筒を置いてきたことを思い出した。猫は腹を切り拡げた絨毯のように伸びていた。ひらぺったい、毛にまみれた動物の皮膚が封筒を連想させたのではない。そばに落…