熱気が立ちこむ路地で猫はつぶれていた。 シュウジはさっきまでくつろいでいた事務所のソファに封筒を置いてきたことを思い出した。猫は腹を切り拡げた絨毯のように伸びていた。ひらぺったい、毛にまみれた動物の皮膚が封筒を連想させたのではない。そばに落…
4月のはじめに友人の訃報が流れてきた。亡くなって一月経ってから彼女の友人を名乗る人物が代理で報告していた。彼女とは社会人になって、一人暮らしを始めたころ、ネットのつながりで知り合った。一度も実際に対面で会うことは、これにてなかった訳なのだが…
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